
ハイブリッド車(HV)は燃費がよく環境に優しいため、「維持費が安いのでは?」と期待する方が多いでしょう。
本記事では、ハイブリッド車の税金優遇制度の最新情報や、ガソリン車との維持費(燃料代・税金・メンテナンス費用など)の違いをわかりやすく解説します。
最後には、ローン審査が不安な方に向けて、クルマテラスの「信用回復ローン」をご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。

ハイブリッド車は、税金の免税措置や減税を受けられる対象です。
これは環境性能の高い車を普及させるため、国が時限的に実施している、優遇制度によるものです。
おもなものに、以下の2つがあります。
エコカー減税(環境性能割・自動車重量税の優遇)
グリーン化特例(自動車税の優遇)
詳しく解説します。

エコカー減税では、新車購入時にかかる環境性能割(旧・自動車取得税)と、車検時に支払う自動車重量税が、ハイブリッド車など環境性能の高い車では大幅に軽減・免除されます。
具体的な減税率は、車の燃費性能と排出ガス性能によって決まり、一定の基準を満たす場合は、重量税が初回車検時まで100%免税(ゼロ円)になるケースもあります。
たとえば、令和2年度、燃費基準を大きく上回るハイブリッド車なら、購入時の環境性能割が非課税、重量税も免税となり、ガソリン車に比べ、初年度の税負担が数万円以上も安くなることがあります。
※最新の適用期間: エコカー減税は時限措置で、現時点では2026年4月30日まで延長が決定しています。
ただし2025年5月以降は基準が厳格化され、減税対象になる燃費基準のハードルが上がりました。
今後さらに、制度内容が変わる可能性もあるため、最新情報に注意しましょう。

グリーン化特例とは、環境性能に優れた車に対し、翌年度の自動車税(種別割)を軽減する制度です。
ハイブリッド車を含むエコカーで、一定の排出ガス・燃費基準を満たす場合、新車購入翌年度の自動車税が最大75%減税(普通車の場合)となります。
この特例は中古車にも適用可能で、対象基準を満たしていれば、新車だけでなく中古で取得した車でも翌年度の自動車税が軽減されます。
※適用期限: グリーン化特例もエコカー減税と同じく、2026年3月31日までが現行の適用期限です。
こちらも時限措置で、延長や内容変更の可能性があります。

現行の減税措置は、上記の通り2026年春まで継続予定ですが、「いつまでもハイブリッド車が、減税されるとは限らない」点に留意が必要です。
政府の方針次第では、その後減税が縮小されたり、電気自動車(EV)への優遇にシフトする可能性もあります。
そのため、「税金面でお得な車に乗りたい」と考えている方は、減税が適用されるうちに購入・買い替えを検討するのも1つの手でしょう。

ハイブリッド車とガソリン車では、燃料費・税金・保険料・メンテナンス費用といった維持費に違いがあります。
それぞれ、詳しく見てみましょう。
ハイブリッド車、最大のメリットは、やはり燃費性能です。
同じ車種なら、燃費はガソリン車の1.5~2倍程度よいケースが一般的で、走行距離が長いほど、ガソリン代の節約効果は大きくなります。
たとえば、ガソリン価格180円/Lの条件で年間1万km走行すると仮定すると・・・
ハイブリッド車(平均燃費25km/Lの場合): ガソリン代約72,000円/年
ガソリン車(平均燃費15km/Lの場合): ガソリン代約120,000円/年
→ ハイブリッド車の方が年間で約48,000円も燃料費が節約できます。

このように、特に通勤や営業で走行距離が多い人ほど、ハイブリッド車の燃費のよさが家計に効いてきます。
「燃費がよい=給油回数が減る」ことで、ガソリン代に上乗せされているガソリン税など、間接的な税負担も減らせる点は見逃せません。
維持費の中でも、毎年または車検ごとにかかる税金は、「自動車税(毎年納付)」と「自動車重量税(車検時に納付)」の2種類があります。
ハイブリッド車は、これらがエコカー減税の対象となるため、ガソリン車より税負担が軽くなる場合があります。
おもな違いをまとめると
自動車税(年額):
排気量に応じて、課税されます。
ハイブリッド車でも排気量区分は同じですが、新車購入翌年度にグリーン化特例の減税が適用されると、大幅に安くなります(最大75%減)。
たとえば排気量1500ccクラスの場合、通常年間34,500円のところハイブリッド車なら、約30,500円程度に軽減されるケースがあります。
ただしこの軽減は、基本的に翌年度分のみで、2年目以降は原則通常税額に戻ります。

とはいえ、ハイブリッド車は13年超経過時の重課(経年増税)も免除されます。
ガソリン車は、13年経過で約15%自動車税が重くなりますが、ハイブリッド車は古くなっても税額が上がらないのです。
これは意外な長所で、「古い車に長く乗りたい場合も、ハイブリッド車なら税負担が増えない」というメリットになります。
自動車重量税(車検ごと):
車両の重さに応じて課税されます。
ハイブリッド車などエコカーの場合、新車登録時から初回車検(初回3年)および条件次第で2回目車検までエコカー減税により、重量税が50~100%減税されます。
極端な例では、初回車検まで重量税が全額免除=0円となるハイブリッド車もあります。
一方、ガソリン車は減税なしの場合、たとえば車重1トン前後の普通車で約30,000円(3年分)の重量税負担が発生します。
ハイブリッド車なら同条件で、約15,000円(半額)程度に抑えられ、車検時の負担が軽くなるわけです。
ただし注意したいのは、エコカー減税の重量税優遇は新車新規登録時に適用される措置であることです。

つまり中古車として購入した場合や、減税適用期間を過ぎた車検では、ハイブリッド車でも重量税は通常の本則税率がかかります。
それでも、自動車重量税も13年・18年経過で重課(約39%〜53%増)される制度がありますが、エコカー(ハイブリッド車含む)の場合は重量税も経年重課が据え置きになるため、古くなっても増税されません。
この点でも、長期的に見ればハイブリッド車は、ガソリン車より税金面で有利といえるでしょう。

以上を整理すると、「ハイブリッド車の税金は、本当に安いの?」という問いには「新車購入から初期の数年間は大幅に安く、その後も年式が古くなってからの増税がないため、結果的に安い」と答えられます。
ただし初期減税には期限があり、年々条件も変化しています。
中古のハイブリッド車では、購入時に新車ほどの減税メリットは享受できないものの、先述の経年重課がない点など、長期所有時のメリットは残ります。
「中古でも、ハイブリッドなら税金安い?」という疑問には、「初回の減税こそないが、長く乗ればガソリン車より増税されず有利」といえるでしょう。

自動車保険(任意保険)料は個々の条件によりますが、一般的にハイブリッド車の保険料は、ガソリン車よりやや高めといわれます。
おもな理由は、以下の通りです。
車両価格がハイブリッド車の方が高い傾向にあり、全損時などの補償額が大きくなるため。
ハイブリッドシステム(バッテリーやインバーター等)の修理費用が高額になりやすく、事故時の支払いリスクが高いとみなされるため。
実際の差額は車種や補償内容によりますが、年間で5,000~15,000円程度ハイブリッド車の方が高くなるケースが多いようです。
保険料は維持費全体に占める割合としては燃料代や税金ほど大きくありませんが、「ハイブリッド車は維持費全体ではどうなのか?」を判断する際には、この点も頭に入れておきましょう。

日常的なメンテナンス費用でも、ハイブリッド車とガソリン車には、いくつか違いがあります。
オイル交換頻度:
ハイブリッド車はエンジンの稼働時間が少ないためエンジンオイルの劣化が遅く、オイル交換の頻度が減らせる利点があります。
年間コストにすると、ハイブリッド車はガソリン車より、数千円程度オイル代が安く済むこともあります。
消耗部品:
ブレーキパッドなども、ハイブリッド車は回生ブレーキの作用で減りにくい傾向があり、交換サイクルが延びる場合があります。
これも、メンテナンスコスト低減要因です。
バッテリー交換:
一方で大きな違いが駆動用バッテリー(ハイブリッドバッテリー)の存在です。
ハイブリッド車には、高電圧の駆動用バッテリーが搭載されており、寿命(目安7~10年程度)を迎えて交換となると、費用が数十万円と高額になります。
具体的には、新品交換では15万~30万円程度かかるケースが一般的です。
一方、ガソリン車の通常バッテリー(12V)はせいぜい1万~3万円程度で交換できます。
この差は大きいですが、実際には以下の点で、負担を抑えられることも多いです。
メーカー保証:
トヨタなど多くのメーカーは、ハイブリッドバッテリーに8年 or 10万~15万kmの保証を付けています。
初度登録から年数が浅いうちは、無償交換対象になる場合があり、中古で買う場合も年式によっては保証継承可能です。
リビルト品の活用:
最近ではハイブリッド用バッテリーのリビルト(再生品)や中古パーツが流通しており、新品より安価(数万円~)で交換できるケースもあります。
交換しない選択:
そもそも駆動用バッテリーは寿命が10年前後と比較的長く、「寿命がきたらその車自体を手放して買い替える」という選択をする方も多いです。
結果としてバッテリー交換費用を負担しないまま乗り換えることも可能です。
修理費:
ハイブリッド車は構造が複雑ゆえに、万が一、故障した場合の修理費が高くつく場合があります。
インバーターなど専用部品のトラブルは修理代が高額になりがちですが、一方でエンジンやブレーキ等の消耗は少ないため、定期メンテ費用は大きく変わらないとの指摘もあります。

以上を踏まえると、「ハイブリッド車は維持費が安い」というイメージはおおむね正しいものの、バッテリー交換リスクなど一部注意点もあることがわかります。
「税金で得しても、バッテリー交換で損したら意味がないよね…」という不安も聞かれますが、購入前にバッテリーの保証や状態を確認したり、長く乗り過ぎず適切な時期での乗り換えを検討することで、過度な心配は減らせるでしょう。

ここまで燃料費から税金・保険・メンテナンスまで比較してきました。
トータルではハイブリッド車とガソリン車のどちらが得なのか、具体的なシミュレーションで確認してみましょう。
ケース: 排気量1500ccクラスの車で年間1万km走行、ハイブリッド車は燃費25km/L・ガソリン車15km/L、その他維持費は、前述の平均的な差異を考慮。
| 項目 | ハイブリッド車 | ガソリン車 |
|---|---|---|
| 燃料費(年間) | 約72,000円 | 約120,000円 |
| 自動車税(年額) | 約30,500円 | 約34,500円 |
| 重量税(年間換算) | 約5,000円(減税適用時) | 約10,000円 |
| 自動車保険料(年額) | 約80,000円 | 約75,000円 |
| メンテナンス費用(年平均) | 約10,000円 | 約15,000円 |
| 合計(年間) | 約197,500円 | 約254,500円 |
→ 年間ではハイブリッド車の方が、約57,000円お得になる試算です。
燃費の差が大きいため、走行距離が伸びるほど、この差額は大きくなります。
仮に5年間乗れば、約28万円の差にもなり、ハイブリッド車の購入価格差(※一般に同車種で数十万円高い)を十分回収できる可能性があります。
もっとも、このシミュレーションでは、初期購入時の車両本体価格差は考慮していません。
現実にはハイブリッド車の方が新車価格・中古車相場とも割高なため、「燃料代・税金の節約で何年で元を取れるか」がポイントです。
新車価格差が大きい場合、短期間では元が取れないこともありますし、逆に中古車で価格差が小さければ、早期にプラスに転じることもあります。
中古のハイブリッド車を選ぶことで初期コストを抑え、維持費メリットだけ享受するというのも賢い方法でしょう。

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