

ボーナスや臨時収入などで、まとまった資金が入ったとき、真っ先に「今返済中の自動車ローンを、一括返済したほうがいいのだろうか?」と考える方も多いでしょう。
長引くローン返済から解放されたいと思いますが、本当にお得なのか、損はしないのか悩むところですよね。
そこでこの記事では、車のローン一括返済について、繰上げ返済との違いや手続き、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
この記事が、ローン返済で悩んでいるあなたのお力になれれば幸いです。
車のローンを一括返済することで得られるメリットには、おもに次のようなものがあります。
支払う利息を大幅に減らせる
ローンを繰上げ返済・一括返済すれば、その後発生するはずだった利息の支払いをカットできます。
たとえば残債100万円・残り2年・年利2%のケースでは、残り期間中に約6.3万円の利息を支払う計算ですが、一括返済すればこの利息を節約できる計算です。
車の所有権を自分のものにできる
ディーラー系や信販会社系のカーローンでは、完済するまで車の所有者名義が、ローン会社側になっている場合がほとんどです。
一括返済によってローンを完済すれば、名義をローン会社から自分に変更でき、正式に自分の所有物にできます。
これにより、車の売却や名義変更なども自由に行えるようになります。
他のローンを組みやすくなる
カーローン残高がなくなることで、借入状況が改善し、信用力がアップする可能性もあります。
その結果、今後マイホーム購入の住宅ローンや、別のローンを申し込む際に審査で有利になる、あるいは借入枠が増えるといった恩恵が考えられます。
以上が、おもなメリットです。
金利負担の軽減や精神的な安心感に加え、完済によって車に関する制約がなくなる点は、大きな利点と言えます。
一方で、ローンの一括返済には、注意すべきデメリットもあります。
繰上げ手数料などの費用がかかる
多くのローンでは、一括返済や一部繰上げ返済の際に、手数料が発生します。
この手数料額は、ローン提供会社によって異なり、数千円〜数万円と幅があります。
一般的に銀行系ローンの方が手数料は安めで、例えば横浜銀行では全額繰上返済3,300円・一部繰上返済5,500円と設定されています。
手数料がかかる場合、そのコストを支払っても、利息軽減効果の方が大きいかを事前に確認することが重要です。
特にローン残期間が短かったり、残高が少額だったりする場合、手数料が削減できる利息分を上回ってしまい逆に損になるケースもあるので注意してください。
タイミングによっては、利息軽減効果が小さい
ローン期間の後半になってから一括返済しても、すでにほとんど利息を払い終わっているため、劇的な節約には繋がらない場合があります。
一般にローン金利は残高に対してかかるので、早い時期に完済するほど効果的ですが、返済期間が半分以上過ぎたあとの完済ではあまりメリットが得られません。
先述の手数料との兼ね合いもあり、完済のタイミング次第では、利息軽減分より手数料負担の方が大きくなり、結果的に損をすることもあります。
目安として、3年ローンなら1年以内に一括返済するくらいのタイミングであれば、メリットが大きいと言われています。
契約方式によっては利息が減らない(ごく稀なケース)
ほとんどのカーローンは、残高に応じて利息を計算する「実質年利方式」ですが、中には、契約時に利息総額を算出して月々均等に割り振る「アドオン方式」のローンも存在します。
この場合、途中で繰上げ返済や一括返済をしても、支払う総額(利息負担)が変わらないしくみになっているため、早期返済のメリットがありません。
現在は一般的ではありませんが、念のためお使いのローンが、どの方式か契約書で確認しておきましょう。
以上のように、一括返済にはデメリットもあります。
ただし適切なタイミングで行えば、十分メリットが上回るケースが多いです。
特に金利負担の大きい序盤では効果が大きいので、資金に余裕があるなら検討する価値は高いでしょう。
大切なのは、「手数料などを差し引いても本当に得か?」「返済後の生活資金は大丈夫か?」といったポイントを事前にチェックすることです。
一括返済と繰上げ返済は混同されがちですが、意味合いが少し異なります。
一括返済が「残りのローン全額を、まとめて返済する」ことであるのに対し、繰上げ返済(一部繰上げ返済)は「残高の一部を、予定より前倒しで返済する」ことを指します。
繰上げ返済を行った後もローン自体は継続しますが、残高が減ることで返済期間が短縮され(または月々の支払額が軽減され)、その分、将来支払う利息を減らす効果があります。
どちらが得か?―
―結論から言えば、資金に余裕があり、残債をすべて清算できるなら、一括返済がもっとも利息を減らせます。
完済してしまえば、それ以上の利息は一切発生しませんし、先述のとおり名義変更等も自由にできるメリットをすべて享受できます。
一方、手元資金と相談して、全額は難しいが、多少の余裕があるという場合は、繰上げ返済で一部だけでも前倒しする価値があります。
たとえ一部でも早く返せば、その分利息軽減効果がありますし、「あと○万円まで減った」という形でモチベーションが上がる人もいるでしょう。
繰上げ返済をする場合のポイントとして、返済方法や手数料の確認があります。
繰上げ返済にも手数料がかかるケースが多いため、小刻みに何度も繰上げすると、その都度手数料がかかって割高になることがあります。
もし複数回に分けて繰上げを検討しているなら、手数料体系を確認し、なるべくまとまった額で、回数を少なく行うほうが手数料の節約になります。
また、繰上げ返済後の返済方式(期間短縮型か支払額軽減型か)はローン会社によって異なりますので、自分に有利な方式になっているか事前に問い合わせておくと安心です。
実際に「一括返済しよう!」と決めたら、具体的な手続きの流れを把握しておきましょう。
一般的な手順と注意点は、以下のとおりです。
ローン提供先に連絡
まずは現在利用している銀行や信販会社、ディーラーローンの窓口に一括返済したい旨を連絡します。
電話での問い合わせのほか、会社によってはインターネット上で手続き申請が可能な場合もあります(例:オリコはネットまたは電話、ジャックスは電話受付のみ)。
連絡先はローン契約書や、公式サイトの「お客様サポート」「よくある質問」欄などで案内されています。
残債・利息・手数料の確認
ローン会社に連絡すると、一括返済に必要な金額を案内してもらえます。
これは元本残高に日割り利息と所定の手数料を加えた「一括返済精算額」です。
案内された支払期日までに、その金額を支払うことで完済となります。
提示された期日を過ぎると利息計算がずれるため、再計算が必要になるので注意しましょう。
支払い手続き
指定された方法で精算額を支払います。
支払い方法はローン会社により異なりますが、一般的には指定口座への振込か口座引落しでの決済となることが多いです。
銀行系では、ネットバンキング上で完結できる場合もあります。
クレジットカード払いや、直接窓口での現金払いに対応しているケースもありますが、多くの場合は振込が主流でしょう。
振込手数料が発生する場合もありますので、その点も考慮してください。
完済後の確認と書類入手
入金が反映され、無事にローン完済となったら、ローン会社から完済証明書や領収証が発行されます。
加えて、ディーラーローンや信販系ローンで車両の所有者名義がローン会社になっていた場合、完済後に所有権解除の手続きを行う必要があります。
ローン会社に所定の手続きを依頼すると、名義変更に必要な書類一式(車両の譲渡証明書、委任状など)が郵送されてきます。
書類が届いたら、自分で陸運局に行って、名義変更を行いましょう。
一括返済しただけでは、自動的に名義が自分に変わるわけではないので忘れずに、この手続きを完了させてください。
車を売却したい場合の注意
「ローンを完済して車を売りたい」「買い替えたい」というケースでは、完済タイミングに注意しましょう。
ローン残債がある車でも売却自体は可能ですが、厳密には売却前にローンを完済して、所有者を自分名義に変更する必要があります。
多くの場合、中古車買取店などでは、売却代金から残債を一括返済する形で、手続きを代行してくれます。
例えば残債100万円の車を150万円で売却するなら、買取店があなたに代わって100万円をローン会社へ返済し、残り50万円を受け取れるという流れです。
もし売却額が残債に満たない場合は、不足分を支払えば売却可能です。
買取業者はローン中の車の売却にも慣れているので、売却予定があるなら早めに相談しておくと安心でしょう。
自分で他人に直接売却する場合は、事前に完済と所有権移転登録を済ませておく必要があります。
以上が一括返済の大まかな流れと注意点です。
手続き自体は難しいものではありませんが、不備があると完済や名義変更がスムーズに進みません。
案内に従って、必要書類や手順をひとつずつ確実にこなしましょう。
特に名義変更書類は、再発行が効かないものもあるため、紛失しないよう気を付けてください。
車のローン一括返済には、メリット・デメリット両面があります。
大事なのは、自分の状況で本当に得かどうか見極めることです。
そのために押さえておきたいチェックポイントを最後に整理します。
金利と残期間を確認
ローンの利率や残り期間によって、一括返済で節約できる利息額は変わります。残期間が短かったり利率が低かったりする場合、劇的な節約にはならないこともあるのでシミュレーションしてみましょう。
逆に金利負担が大きい序盤であれば効果絶大です。
繰上げ返済手数料の有無と額
一括返済や繰上げ返済時の手数料が設定されているか、事前に確認しましょう。
手数料が数千円〜数万円かかる場合、そのコストを差し引いてもメリットがあるか計算します。
ネット手続きなら無料になる等の情報も、見逃さずチェックしてください。
ローン契約の利息方式
ご自身のローンが一般的な元利均等の計算か、それとも特殊なアドオン方式なのか確認しておきましょう。
アドオン方式の場合は繰上げによる利息軽減ができないため、その場合は無理に一括返済する必要はありません(資金を手元に残しておく選択肢も考えられます)。
最後に、車のローン一括返済は金利負担の軽減や、心理的安心を得られる有力な選択肢です。
メリット・デメリットを踏まえた上で、ぜひご自身の状況に照らしてベストな判断をしてください。
分からない点はローン会社やディーラーに遠慮なく相談し、損をしない形で賢くローンと付き合いましょう。
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